名もなき毒/宮部みゆき



名もなき毒

名もなき毒



なるほど…
主人公等主要キャストは前作somebodyからの連投なのだが、それこそ前作読んでない人にとって、ちょっと弱いよな人物描写かも?
そして真犯人が解明していく様は、はっきり言って普通のミステリーファンなら到底納得のいく内容ではないと思う。
(ここまでの薄い内容は、この著者にとって極めて稀である)
さらには、ラスト2つの事件が交差していくのはちょっと強引過ぎるのでは…


ただ、私自身、「彼女の作品はミステリーではなく人間ドラマだ!」と思っているので上記の点はそれ程気にせずに、この長編を読み終えて
やはり著者の圧倒的な筆力にはある種の畏敬の念を感じぜずにはいられない。


「人間自身の内包する毒」「科学物質、環境汚染という目に見える毒」決して目を瞑らず、蓋をせず我々自身で深く自答して、これらとどう折り合いをつけて生きていかなければ!と強く思った。